研究基盤国際センター(RIHN Center)の活動

総合地球環境学の構築に向けて、プログラム・プロジェクトから創出される多様な研究成果の継続的な利活用を図るとともに、地球研における研究活動全般を支援し、国内外の大学・研究機関をはじめとする社会の多様なステークホルダーとの協働を促進するため、研究基盤国際センター(RIHN Center、以下センター)を設置しています。センターには計測・分析部門、情報基盤部門、連携ネットワーク部門、コミュニケーション部門、Future Earth部門をおき、プログラム・プロジェクトや管理部と連携しながら多種多様な業務を担っています。

計測・分析部門

  • 実験施設の管理・運営
  • 実験基盤形成事業
  • 同位体環境学共同研究事業

計測・分析部門では、実験施設や機器の利用を促進し、異分野研究者の協働と統合による共同研究を推進しています。公平かつ円滑な利用のために、実践プロジェクト・コアプロジェクトと協力しながら実験施設を維持・管理するとともに、実験室や機器、保管試料、施設利用などの情報をウェブサイトにて公開しています。

また、機器測定に関する技術的な支援をおこなうとともに、施設利用のガイダンスや、実験施設利用者による情報交換のための会議を毎週おこなうほか、研究に関するセミナーなども開催しています。さらに、先端的な地球環境情報を得るための実験手法を開発し、確立した分析法については手順のマニュアル化をおこなっています。

このほか、地球研の研究プロジェクトや国内外の大学・研究機関等との情報交換や共同研究を通じて得られた情報の有効利用や、研究シーズの開発に取り組んでいます。2011年度からは毎年度同位体環境学シンポジウムを開催し、最新の分析技術の開発や普及、環境研究について、情報交換の促進に努めています。2012年度からは同位体環境学共同研究事業、2014年度からは同位体環境学講習会を実施し、2016年度から同位体環境学共同研究を「部門共同研究」と「一般共同研究」に分け、2018年度〜2019年度は特設分野の募集を行い、2020年度には「機構共同研究」を開始するなど、多分野との協働を通じて統合的地球環境研究を促進しています。

ポスト・コアプロジェクト「環境トレーサビリティに基づく研究基盤の応用」(2020〜2022年度)
研究代表者 陀安一郎

本研究では、コアプロジェクトにおいて開発された「環境トレーサビリティ方法論」を用いて、環境に関する幅広い課題解決に向かうための共同研究をおこないます。環境トレーサビリティに関するプラットフォームとして作成されたウェブサイトをもとに、同位体分析を中心とする環境トレーサビリティ方法論に関する技術を提供できる研究者と、環境トレーサビリティ方法論を利用したい研究者および行政、一般の方を含んだステークホルダーの方々をつないで研究基盤を活用した共同研究をおこなうことを目的としています。環境トレーサビリティに基づく学際的・超学際的研究を通じて、研究基盤国際センター計測・分析部門がおこなってきた「同位体環境学共同研究事業」と共同で、人間と自然の相互作用環の理解につながる研究手法となる中核的な研究基盤の活用方法を提案します。最終的に「環境トレーサビリティ方法論」を改良・再構築することで、大学共同利用機関としての新たな機能を構築します。

情報基盤部門

  • 情報拠点基盤構築
  • 地球研アーカイブズと地球研機関リポジトリの管理・運用
  • 情報設備の管理・運用

情報基盤部門では、地球環境学の情報拠点構築を目標に、「地球研アーカイブズ」により、研究成果をはじめとする地球研の活動記録を蓄積し、「地球環境学ビジュアルキーワードマップ(試用公開版)」により、地球研内外にある知識を探索し共有する機能を提供しています。こうした情報資源の活用に欠かせない、所内ネットワークや各種サーバなどの情報インフラの整備や運用についても、部門スタッフの技術や知識が生かされています。

連携ネットワーク部門

  • 国内外研究機関との研究連携推進
  • 国際科学コミュニティとの戦略的な連携
  • アジア地域を対象とした地球環境研究と大学院教育の基盤整備

連携ネットワーク部門では、地球研と国内外の研究機関、組織との研究連携と、人材育成基盤の整備を推進します。

地球研はつねに外部との柔軟なつながりを保ち、広範な地球環境に関する最新情報を収集し、研究協力体制の充実を図っています。本部門では、国内外の研究機関、自治体などとの連携協定の締結、共同研究の企画、新たな地球研プロジェクトの提案を促進し、地球環境問題研究についての幅広い情報交換や協議する場を作るとともに、先進的な人的・財政的・機関的ネットワークの開発・維持・組織化を進めています。

また、地球研による研究プロジェクトの成果に基づいた国際的な研究課題設定への積極的な関与を促進し、国際科学コミュニティに対して地球研のプレゼンスを高めることにも努めています。

そのほか、特に国内およびアジア地域における地球環境研究と人材育成を促進するため、他部門と協力して必要な組織面、財政面での基盤整備をおこない、学際・超学際研究を推進する方の能力開発・能力活性化を支援しています。

コミュニケーション部門

  • 超学際時代の成果発信の研究開発
  • 環境教育RIHNメソッドの開発
  • バウンダリー・オブジェクトとしての世界農業遺産(GIAHS)

コミュニケーション部門では、各所に個別に存在している知識と情報を編集しなおし、あらたな知恵と価値として提示するナレッジ・ネットワーキングと実事求是(アブダクション)を活動の基盤としています。実事求是とは、実践を重ねながら理論構築をおこなうことです。

そのために、次の3つの柱を立てました。最初の柱は、映像の活用などを通じて、「超学際時代」における新しい成果発信手法の開発をおこなうことです。

次の柱は、環境教育の実施です。地球研の研究プロジェクトの成果等をもとに研究成果を集約・統合し、地球研ならではの環境教育「RIHNメソッド」を、国際的な環境教育プログラムKLaSiCa(Knowledge, Learning and Societal Change Alliance)と連動しながら開発していきます。

最後は、新たな知恵と価値の創出にかかわる活動です。地球研の活動成果を整理し、研究プロジェクトの得た知識と情報をつなげ高次に統合することにより、新たな価値を生む方法論の構築をめざします。課題解決から価値創造へと変わってきた環境問題のダイナミクスを、世界農業遺産等を事例に明らかにしていきます。

ナレッジ・ネットワーキングでは、サイエンス思考だけでなくアート思考やデザイン思考も必要となってきます。この二つの思考に秀でた京都精華大学と学術協定を交わし、さまざまな研究会を共同企画し、「共話」という手法で、「感性の人間学・共感の環境学」の深化をめざします。

Future Earth部門

  • Future Earthアジア地域センター事務局の運営
  • Future Earthと地球研の研究活動の連携

主な活動はこちら

Future Earth部門は、Future Earthアジア地域センターを運営し、Future Earthがすすめる学際・超学際研究をアジア地域において推進しています。当部門は、超学際研究に資する研究アジェンダの開発、ネットワーキング、社会との協働の推進、人材の育成、情報発信に加え、Future Earthとの連携を通して、地球研の国際的なプレゼンスの向上や研究ネットワークの充実にも貢献します。

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